2019年の千葉県を襲った災害について
前回の記事で、簡単ではありますが金田地域のいいところを書きました。
いいところばかり書くのではなく、悪いところも書かないわけにはいきません。
本格的に悪い話を始める前に、昨年(2020年)に2か月間に3回も襲来した自然災害について、実体験を交えながら触れてみたいと思います。
ー目次ー
1. 災害の概要
①令和元年房総半島台風(台風15号)
2020年9月9日に房総半島に上陸した台風です。
関東地方に上陸したものとしては観測史上最強クラスの勢力を持った台風で、57.5m/sの最大瞬間風速を千葉県で記録しました。
木更津においては49.0m/sの最大瞬間風速が記録されています。
千葉県内における被害は次の通りです。
人的被害 | 死者 | 5人 |
---|---|---|
重傷者 | 12人 | |
軽傷者 | 72人(木更津市 4名) | |
住家被害 | 全壊 | 420棟(木更津市 2棟) |
半壊 | 4,423棟(木更津市 20棟) | |
一部損壊 | 73,640棟(木更津市 3,848棟) | |
床上浸水 | 48棟 | |
床下浸水 | 92棟 | |
がけ崩れ | 5か所 | |
地すべり | 1か所 | |
非住家 被害 |
全壊 | 383件 (木更津市 7件) |
半壊 | 608件(木更津市 26件) | |
一部損壊 | 6,925件(木更津市 1,060件) | |
停電 | 640,000戸 |
(千葉県資料「令和元年台風 15 号(第 123 報)について」および「令和元年房総半島台風等への対応に関する検証報告書」より)
ゴルフ練習場の柱の倒壊など大きな損害をもたらし、停電もかなり長期化しました。
金田地域の被害
金田地域に絞っても、多数の被害が見られました。
この金田地域の新しい戸建て住戸の中で、最も被害が見られた個所はカーポートの屋根に使われているポリカーボネート板かと思います。台風後は道路にポリカーボネート板が落ちていました。
他にも屋外物置が壊れていたり、土台のブロックごとフェンスが倒れている住戸も見られました。
私が住んでいるアパートもフェンスが破損しましたし、アパート駐車場に設置されている外灯も強風の影響か、この台風以降傾いてしまったままになっています。
2020年7月現在も、一部住戸の屋根にブルーシートがかぶっていたりと、その爪痕はまだ残っています。
停電被害について
金田地域のほぼ全域で停電が発生したと認識しています。
家庭で電気は使えませんし、信号機も機能していませんでした。
その結果、電車はおろか、高速バスなども信号機が動かないために安全が確保できないとして不通となっていました。
電気が復旧したのは、最も早くて停電発生(9月9日(月))から2日後の9月11日でした。
②令和元年東日本台風(台風19号)
2019年 10月12日から13日にかけて東日本を横断した台風です。
河川の氾濫や土砂による被害が甚大であり、亡くなった方は全国で86名にも及びます。
千葉県下では市原市内で竜巻の発生により住家が全壊するなどの被害が起こりました。
房総半島台風から一カ月しかたっていない状況下の木更津市では最大瞬間風速35.9m/sが記録されています。
人的被害 | 死者 | 1人 |
---|---|---|
負傷者 | 26人 | |
住家被害 | 全壊 | 32棟 |
半壊 | 270棟 | |
一部損壊 | 5,665棟 | |
床上・床下浸水 | 94棟 | |
停電 | 138,500戸 |
③令和元年房総半島豪雨
前の2つと比べて印象は薄いかもしれませんが、こちらも千葉県において大きな被害をもたらしました。
令和元年東日本台風に含まれて甚大災害に指定されています。
下の図はこの災害を引き起こした豪雨の降雨量で、千葉県を縦断する形となっています。
人的被害 | 死者 | 11人 |
---|---|---|
負傷者 | 6人 | |
住家被害 | 全壊 | 35棟 |
半壊 | 1,716棟 | |
一部損壊 | 1,842棟 | |
床上・床下浸水 | 1,276棟 | |
停電 | 23,400戸 |
豪雨の被害ですので、浸水被害が多くなっています。
私の知るだけでも佐倉市や酒々井市、茂原市、市原市牛久などで浸水被害があったようです。
また市原市北部を流れる村田川でも一部越水が見られたとのことです。
他にも養老川上流の高滝ダムや、小櫃川上流の亀山ダムが緊急放流寸前まで行きました。これら2つの河川は最も降水量の多かった地区と合致しています。
金田地域は小櫃川によって運ばれてきた土砂が積もって形成された地域言われています。
この豪雨では小櫃川の水量系の故障か何かで、情報が全く入らなくなりました。
浸水被害についての恐怖感はよく覚えています。
線路および駅施設の浸水が起こったことと、河川氾濫のリスクが大きかったことにより、総武本線や内房線では運転見合わせが相次ぎ、10月25日のよるは千葉駅以東/以南で大混乱が起こりました。
2. ブログ著者の行動
①令和元年房総半島台風(台風15号)
私が住んでいるのは2階建てアパートの2階なのですが、9日の午前2時に強風のために家が揺れているので夜中に起こされました。その際タイミングでトイレに行くと換気扇が逆回転しているのも見れました。
午前3時ごろになると突然風が落ち着きました。これは中心が通過したタイミング(台風の目の範囲に入ったタイミング)とも重なっているため、その影響と考えています。
続いて4時ごろなると停電が発生し、この停電は11日の夜まで続くことになります。
停電のために電車が運行できず、また信号が止まっているためにバスも安全性の問題から運航を停止していたために、その日は出勤できずに休暇となりました。
私の実家は千葉市にあり、そちらでは停電がなかったので、9日の日暮れごろに実家に向けて出発しました。信号が動いていない、また街灯の消えている街中を走行するのはかなり怖かったです。
翌日からは動いている路線を使用して出勤しました。
例えば次のような事があげられます。
私の住んでいる金田東〇丁目は住戸が20軒程度しかないのに、停電件数は100件以上となっていました。
ならば木更津市にと問い合わせたところ、この東電のおかしい発表のみを情報源にしているとのことで、「東電の言っていることが全てです。」との残念な言葉をいただきました。
なお、金田地区には金田地域交流センターなる木更津市の出張所があります。そこを拠点にすれば木更津市も情報収集くらいはできたのではないかと思っています。
この時はツイッター上で「〇丁目に電気がつきました」との報告があり、それを参考に実家から我が家へと戻ってきました。
②令和元年東日本台風(台風19号)
このときの木更津市金田地区からは大きな被害は出ていないという認識です。
前回の台風15号の風で様々なものが飛ばされた背景もあり、台風15号で壊されたものの補強や窓ガラスの飛散防止を行っている家が多くみられました。
また頑丈な屋根のある立体駐車場へ車を非難させようと利用者が多くいて、木更津駅前の駐車場が大混雑したとのことです。
③令和元年房総半島豪雨
上述の通り強烈な大雨で千葉県中の河川の水位が上昇し、あっという間に木更津を走るJR内房線がストップしました。
金田地域は小櫃川の北岸に位置しており、この土地は小櫃川が上流から運んできた土砂が堆積してできたと言われています。
海との標高差もなく、また河川の水面と住宅地の間の高低差もありませんので、河川の水位が電車の線路がある橋を越える恐れがあるとのことで、運転見合わせとなったとのことです。
私はちょうど用事があって千葉駅近辺にいました。用事が住んで家に帰ろうとしたところ、電車が止まっていて、水位が引かなければ運転再開は厳しいとわかりました。
一方で、千葉駅から東京方面については動いていました。そこで、千葉駅から東京駅を経由して、高速バスで帰宅することができたのです。
帰宅するまでの間は、小櫃川が堤防を越水するのではないかと不安でしたが、何事もなくなによりでした。
4. 災害について思うこと
台風15号後に出社した際には同僚のみんなに心配の声をいただきました。
その中で印象に残っていることは「木更津なんかに住んでいて大丈夫?引っ越した方がいいんじゃない?」と言われたことです。
しかし、その前の8月には佐賀県において特に甚大な被害を出した豪雨災害が起こり、その後の19号でも武蔵小杉での水害が起こっています。
住む場所場所によって、災害の起こりやすさや、災害のタイプが変わってきて、これらは歴史からある程度は予想がつくものではないかと思います。
木更津市の金田地区はどちらかというと低リスク側であり、2019年の台風15号を筆頭にたまたま不幸なくじ引きにあたってしまったという風に考えています。